「イノセンス INNOCENCE」のBlu-ray盤のレビューです。
押井守監督が手掛けた、士郎正宗原作の「攻殻機動隊」の映画化となった「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の続編。
初めて観た時は「う~ん、話が暗すぎる」と否定的に思ったのですが、観続けるうちにハマってしまい大好きな作品に。笑。
現在4K-Ultra HD Blu-ray版が発売されているので、比較のために画質・音質を検証してみました。
※以下4K-Ultra HD Blu-rayを4K-UHD、Blu-rayをBDと略します。
ちなみに私、大人気漫画「 キングダム 」でいうと「 麃公 ( ひょうこう ) 将軍」タイプの本能型なので、上手く作品の評論が出来ません。 「良いか悪いか」、「面白いか面白くないか」は直感的に感じられるけど、どこがどうだから面白いか、という細かいところは気にしないし表現出来ません。 ですから、作品に対する深い考察みたいなものはAmazonレビューとかでも上手に語っている方が沢山いらっしゃるのでそちらにお任せします。 基本観て内容が気に入ったものしか買いませんので、パッケージソフトでレビューしてるものはお気に入りの作品ということでご理解ください。 そういうことで画質・音質中心のレビューをしますね。 画質・音質レビューも「綺麗か汚いか」、「音が良いか悪いか」のみで、「コントラスト」がどうの「白浮き」がどうの「ダイナミックレンジ」がどうのみたいなことは判りません。 その代わり、私は「スーパーリアルイラスト」という写真のような絵が描ける能力があり、そのため画像判別能力は普通ではないことを記しておきますので判断材料にしてください。 耳も普通よりは良いと思いますが、なんせもう50才になるので若い頃聞こえてた音が聞き取れなくなっています。 音質面の詳細なレビューは少なめです。 ※画質は2Kフルハイビジョンテレビでの評価で、音質評価は音響効果も含めての点数です。 レジューム再生非対応。 続きからは再生出来ず、初めからになります。 ノイズがあるシーンと綺麗なシーンが混在しています。 少しフィルムグレインが感じられますが、あまり気にならないレベルです。 部分的にはかなり高画質。 ただ、やはり霞みがかかったような効果が多く、前作の「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」と比べて、描線などはくっきりしているのにクリア感が少ないです。 ※まだ作品を観たことがない方はここからは一部ネタバレ部分が含まれますので飛ばしてください。 オープニングのCGの町並み、単独騎乗ヘリのシーンから充分な画質。 しかし、犯行現場に主人公「バトー」が到着する場面では霞みがかっている上にジラジラとしたノイズが大量に感じられます。 霞みは演出かもしれないので仕方ありませんが、ノイズはいただけない。 現場内にバトーが入っていくシーンからはノイズが減ります。 オープニングロールのガイノイド製造CGは、クリアですが所々フィルムグレインとノイズが見えますね。 荒巻部長の部屋からの本編はジラジラとしたノイズがあります。 明るいシーンはノイズも目立たず中々良好。 ガイノイドを検分した「ハラウェイ検死官」への訪問が終わり車へ戻った場面では、暗いシーンなのにしっかりと描写が出来ていて感心します。 店からバトーがドッグフードを買って出てくるシーンは絵画のようで美しいです。 「石川」がバトーを車で送っていく場面で、ルームミラーに映る犬の「バセットハウンド」の看板のシーンがやけにリアルに感じました。 ヤクザの事務所での戦闘シーンでは非常に鮮明な所が多く、続くバトーが中国系店舗でキルゾーンに入り込んでしまうシーンでも幻想的で美しいです。 「ロクスソルス社」のある北端の工業都市のコンビナート?の景色とロクスソルス社の巨大な建物も綺麗ですね。 パレードシーンがとても素晴らしい。 キムの館の場面も色彩が宝石のオパールのようでとても美しいです。 ロクスソルス社の船の中の場面は暗部ノイズが少し目立ちますね。 あとはご自分の眼でご確認を。 全体に暗部ノイズやフィルムグレインのノイズが散見していますが、総じて良好な画質と言えます。 音声はリニアPCM7.1ch仕様。 音量はそのままでは少し物足りないレベル。 ロッシー ( 情報が失われる ) 音声の「ドルビーデジタル6.1ch」と「DTS ES6.1ch」のほうが音量があり、聴きやすいですね。 リニアPCM7.1chではボリュームを3つ上げてちょうどいいくらい。 音響デザインが素晴らしいのでボリュームを上げられる限り上げたほうが楽しめます。 ボリュームを上げて観ると本当に素晴らしいです。 オープニングから、音響効果は後方も含めしっかりデザインされています。 ※まだ作品を観たことがない方はここからは一部ネタバレ部分が含まれますので飛ばしてください。 犯行現場に特殊部隊が到着し、装甲車が装甲を開ける場面の音が迫力だし、野次馬の喧騒、バトーの車の音なども良い。 続くバトーが犯行現場内に入っていくシーンでは、静かながらも不穏な音の中、バトーのアイセンサーの反応音や少女型ガイノイドの攻撃音、バトーのダブルオーバックの炸裂音など、効果音の移動感、迫力など良質です。 40代前半までは犯行現場に入っていくところでバトーの歩く足音がハッキリと聴こえていたのに、50歳の今、同じ盤なのに全く聴こえなくなっていることにがく然としました。 かなりボリュームを上げてやっとギリギリ聴こえたくらい。 老いを感じることになろうとは。 オープニングの多重コーラス曲の「傀儡謡」がとても素晴らしい。 この曲私のお気に入りなんで、大音量で聴くのがとても好きなんですよね。 警察署所轄のハラウェイ検死官の元へ向かう場面、署内のアナウンスやエレベーター内の物音など、ちょっとした音まで非常に良く音が配置されています。 9課の駐車場での車のトランクの音や、銃器の取り扱い音などもかなりリアルに感じます。 ヤクザの事務所で発砲しまくるシーンの、重い発砲音や薬莢の飛び散るキンキンいう音が気持ちいい。 バトーがキルゾーンに入り込んだシーンでは幻想的な感じが音響で表されています。 ロクスソルス社へ向かう上空の鳥の移動音や鳴き声、翼を持つヘリの金属的な翼の音もとても効果的。 パレードシーンの包み込まれる多重コーラスの美しさも素晴らしい。 「キム」の館のオルゴール音響も重厚で良いです。 ロクスソルス社の船内へ侵入したバトーに気付き、セキュリティを発動させる場面では周りを音が回って臨場感があります。 エンディングの「Follow Me」の歌声が染み入りますねぇ~。 とにかく効果音のリアリティと音響設計は素晴らしいですね。 「攻殻機動隊」 トグサ ( 旧式リボルバーのマテバを使うバトーの相棒 公安9課のメンバー ) : 山寺宏一 イシカワ ( 凄腕ハッカーで電脳戦のエキスパート 公安9課のメンバー ) : 仲野裕 荒巻大輔 ( キレ者の公安9課の部長 ) : 大木民夫 草薙素子? ( 前作で人形使いと融合し、人間を超越した存在となった少佐と呼ばれた女性 元公安9課のメンバー ) : 田中敦子 ハラウェイ検死官 ( バトーが破壊したガイノイドの検分を行った、目の周りを義体化した女性検死官 ) : 榊原良子 鑑識官 ( べらんめぇ調の、おそらく眼を義体化してるベテラン鑑識 ) : 堀勝之祐 キム ( カラクリ人形のような容姿をした全身義体のオルゴールの館の主 ) : 竹中直人 少女 ( 誘拐されゴーストダビングマシンに繋がれていた、ガイノイドで事件を起こした少女 ) : 武藤寿美 ※参照 ウィキペディア(Wikipedia) ・イノセンスの情景 ・イノセンスは国境を越えたか? ( 押井守✕石川光久 対談 ) ・メイキング ・劇場予告編 ( 日本+公開国 ) ドルビーデジタル 6.1ch サラウンド EX 日本語 DTS-ES 6.1ch サラウンド 日本語 日本語字幕 英語字幕 仏語字幕 韓国語字幕 台湾語字幕 かなり前の発売盤ですが、今でも手に入りますし、全然問題なく良い品質です。 まぁ、4KリマスターBD盤が安く出た今となっては、オリジナルジャケット・デザインと特典映像くらいしか価値がないかもしれませんけど。
作品評価
8点
画質評価
6点
音質評価
8点
イノセンスINNOCENCE BD盤の画質面
イノセンスINNOCENCE BD盤の音質面
作品基本情報
監督 / 脚本
押井守
原作
士郎正宗
制作
石川光久 / 鈴木敏夫
制作協力
スタジオジブリ
製作会社
Production I.G
音楽
川井憲次
主題歌『Follow Me』
伊藤君子
劇場公開年
2004年公開
キャスト
バトー ( 主人公。全身がほぼ義体化されたサイボーグ 公安9課のメンバー ) : 大塚明夫
製品基本情報
発売年
2006年発売
本編時間
99分
映像特典※SD画質になります
・オーディオコメンタリー ( 押井守✕西久保利彦 )
ディスク情報
ディスク1枚/2層収録50GB・H264/AVC方式
映像収録情報
16✕9 ( 1.85:1 )1920✕1080p
音声収録情報
リニアPCM 7.1ch サラウンド 日本語
字幕情報
劇場公開時字幕
定価 / 実売価格帯
7800円+税 / 7000円前後
発売元
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
まとめ
More from my site