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ロケットマン/エルトン・ジョンの伝記映画のネタバレなし・あり感想

2020年2月3日

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ロケットマン タイトル

第77回ゴールデングローブ賞でミュージカル・コメディ部門の主演男優賞主題歌賞を受賞し、第92回アカデミー賞 ( 2020年2月9日表彰式 ) でも歌曲賞にノミネートされている、英国のスター、「エルトン・ジョン」の半生を描く伝記ミュージカル映画、「ロケットマン」。

 

正直私はエルトン・ジョンが好きでは無かったのですが、同じミュージシャン伝記映画の「ボヘミアン・ラプソディ」がすごく良かったし、「タロン・エガートン」が主演でしかも歌を吹き替えなしで本人が歌い、エルトンのお墨付きをもらったとの事でBlu-rayレンタルして観ることにしました。

 

これが思わず良かったので、ネタバレあり・なしで感想を書きます。

 

※追記

祝 ! 第92回アカデミー賞

歌曲賞ノミネートから・・・

 

歌曲賞 「(アイム・ゴナ)ラヴ・ミー・アゲイン」

作曲: エルトン・ジョン、作詞: バーニー・トーピン

受賞しましたね ! ! !

 

歌の意味が分かってみると非常に良かったですからね。

 

ロケットマン ROCKETMAN のネタバレなしの感想

 

私は中学生の時に洋楽に「どハマリ」して、ラジオで流れる数々のヒット曲をテープにエアチェックしまくっていた洋楽少年でした。

しかし、そのお気に入りのヒット曲の中にエルトン・ジョンの曲が一曲たりとも入ることは無かったんですね。

 

そのため、このエルトンの伝記映画「ロケットマン」は、私のお気に入りの「フレディ・マーキュリー ( もちろんクイーン自体も ) 」の伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」の流れで一応観てみよう、というだけのものだったんです。

 

ところが、これが思った以上に良かった

素晴らしい伝記映画だったんです。

 

もうこれぞ「ミュージシャン、ロック・スター」そのものの波乱万丈な人生でしたね。

よくぞまぁここまで絵に描いたようなロック・スター人生を送れたもんだ、と思いましたよ。

 

私としては、当時ファンでもなんでもなく、聴く曲も好きになれなかったからこそ、逆に変なひいきやアラ探しをすることなく純粋にこの「一人のミュージシャンの半生の物語」を楽しめたのかな、と思います。

 

エルトン・ジョンを演じたタロン・エガートンも非常に良い演技をしてました。

曲にお気に入りが無くエルトン本人の歌声に覚えが全く無いため、似てる似てないは判別出来なかったのですが、とにかく素晴らしい歌声を披露してくれています。

 

ミュージカル度もグレイテスト・ショーマンくらいのもので、適度で好感が持てました。

 

エルトンの作る曲自体は好きにはなれなかったけど、彼自身は非常に才能あふれる魅力的な人物だったんだなぁ、と彼のことが好きになりましたね。

 

彼の楽曲をもう一度チェックし直してみたくなりました。

 

 

ロケットマン ROCKETMAN のネタバレありの感想

 

この作品はミュージシャンの伝記映画のわりに、ライブシーンなどの臨場感ある見せ場は少なかったです。

「ボヘミアン・ラプソディ」のような熱狂的かつ感動的なステージシーンがもう少しあれば、もっと評価出来ただろうな、と思うのが残念なところでしたね。

 

ただ、心に強く残る作品という点ではこの作品もあまり負けてはいないと思います。

※まだ作品を観たことがない方はここからは完全にネタバレ部分が含まれますので飛ばしてください

観たことがある方はこちらをクリック

この物語は、ツノを生やした悪魔のようなステージ衣装で依存症の自助グループに現れるエルトンの姿から始まります。

 

いきなり変な衣装で現れる姿に面食らいましたが ( そのあとも変な衣装ばっかり ! ) 、あとでエンディングロールに出てくる本人の映像を見て、本当にこんな変な格好でステージに立ってたんだと思い、ちょっと可愛く思えました。笑。

 

その変な格好とは裏腹に、深刻な身の上話を始めるエルトン。

 

子供時代の回想を交えながら物語は進んでいきます。

 

子供時代、父親から全く愛されないエルトンは、久しぶりに兵役から帰ってきた父に「ハグしてくれないの ? 」と尋ねますが、「甘ったれるな ! 」と一喝されます。

それでも健気に父の気を引こうと、レコードをかけて聴く父に、父の持つコレクションのレコードの1枚を「これが好き、」と手渡そうとすると、「二度と私のレコードに触るな ! 」と怒鳴られてしまいます。

「ひっ、酷い・・・。」

 

その後もエルトンが大成功を収めた後、認めてもらいたい一心で「家を出て違う家庭を築いていた」父の元を訪れた時も、新たにできた自分の子供は可愛がるのにエルトンに対しては他人扱いで、家族としての優しい言葉すらかけることがありませんでした。

こんな酷い父親がいるものか・・・と心底エルトンがかわいそうに思えましたよ。

 

その他にも、母親からの愛も希薄で感じられず、ゲイであるエルトンの恋人となるプロデューサーの「ジョン・リード」との確執や破局、シンガーとして一歩を踏み出した時に共作として作詞を担当することになった「バーニー・トーピン」への報われる事のない思いなど、両親 ( 特に父親 ) から与えられなかった「愛情」をず~っと追い求め続けていたんだなあと感じました。

 

なんて気の毒な人だったんでしょうね。

大成功の影でこんなにも本人は不幸だったのか、と、「金銭や名声を手に入れることが必ずしも幸せにつながるわけではない」と感じる見本のようなお話です。

 

当時ニュースかなにかでエルトンの薬物問題で乱れた生活の報道などを耳にした記憶があり、「何やってるんだろう、スターってやっぱり問題児ばかりだな」と思っていましたが、こういう裏事情が知れて考えが変わりましたね。

 

ただ、エルトン本人がこの作品の制作に加わっているということで、「自分寄りの主張」になってしまっている可能性はあります。

真相は当事者たちにしか分からないでしょう。

 

それにしてもジョン・リード役は 「ゲーム・オブ・スローンズ、ロブ・スターク役のリチャード・マッデン ! 」 、バーニー・トーピン役は 「リトル・ダンサーの主人公のジェイミー・ベル ! 」と、大好きな作品から好きな役者さんが出ているのもとても嬉しかったです。

二人共どこかで見たことあるなぁ、と思っていましたが、リチャードのほうは甲冑姿からパリッとした紳士に、ジェイミーはヒョロっとした少年からアーティストらしい青年になっていましたので、作品を観終わるまで気がつけませんでしたよ。

 

そしてエルトンの歌は、当時ラジオなどで聴いてパッとしなかったのですが、劇中で観るとけっこう魅力的に聴こえました。

タロンエガートンの歌唱力もありますけどね。

 

名曲( オールディーズの曲として、名曲と知ってはいたけどお気に入りではなかった )YOUR SONGの誕生シーンなんか、「おお~ ! こうやってあの馴染みのある名曲が出来たのか」とちょっと鳥肌が立ってしまいましたよ。

 

たぶん過去に聴いて魅力を感じなかったというのは、ラジオでは歌詞が解らないので歌の伝えたい意味が理解出来なかったからなんでしょうね。

私の英語力は、数十年洋画を観まくっていても、未だに字幕という補助輪が無いと単語を聞き分けることすらおぼつかないレベルなんで。汗

 

劇中では歌詞の内容が字幕として出ていましたから、良さが伝わったのだと思います。

 

ということはエルトンの作曲の才能ではなく、歌詞を作詞したバーニーの才能が素晴らしかったという事になるのかも。

 

まあこの映画を観て、あくまで個人的な意見ですが、エルトンはシンガー・ソングライターというよりはパフォーマーなのかな、と感じましたね。

メロディラインや歌唱力に魅力があるのではなく、曲の歌詞を理解し、ライブのパフォーマンスを体感してこそその真価がわかるのかな、と思います。

 

ボヘミアン・ラプソディといい、「ゲイ」を取り扱った作品が増えてて、タロンとリチャードも体当たりの濃厚ラブシーンを演じてますが、ノーマルな人としては否定はしないけどやっぱりいい気はしないですね。

 

まとめ

 

大ヒットしたボヘミアン・ラプソディの「2匹目のドジョウ」として出てきた作品かな、と思ったら意外にも伝記映画として非常に良く出来た素晴らしい作品でした。

 

構成や楽曲の使い方も良かったですね。

もう少し大きなライブシーンが入っていたらもっと楽しめたのになぁと思います。

 

そういう点の足りない「伝記映画過ぎた」印象だったのは、ちょっともったいなかったですかね。

 

輸入版の4K-Ultra HDが安くて日本語字幕付きなので、買おうか検討してるところです。

 

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