SF映画の金字塔、「ブレードランナー ファイナル・カット」の4K-Ultra HD Blu-ray / Blu-rayセットのレビューです。
2007年にリドリー・スコット監督自身の総指揮によって編集・デジタルレストア・リマスターされ劇場公開されたバージョンが、制作35周年と続編の公開を記念し、4K-UHD化されたのが本商品。
やっぱりこれだけは買わなきゃダメでしょ、なんせ私が「全映画の中で1番好きな作品」ですから。
※こちらは輸入盤ではなく、国内版4K-Ultra HD Blu-ray盤とBlu-ray盤のセットでの評価です。
以下4K-Ultra HD Blu-rayを4K-UHD、Blu-rayをBDと略します。
ということで、とっても気になる画質・音質を検証してみました。
どのくらいの画質・音質になっているのでしょうか?
ちなみに私、大人気漫画「 キングダム 」でいうと「 麃公 ( ひょうこう ) 将軍」タイプの本能型なので、上手く作品の評論が出来ません。 「良いか悪いか」、「面白いか面白くないか」は直感的に感じられるけど、どこがどうだから面白いか、という細かいところは気にしないし表現出来ません。 ですから、作品に対する深い考察みたいなものはAmazonレビューとかでも上手に語っている方が沢山いらっしゃるのでそちらにお任せします。 基本観て内容が気に入ったものしか買いませんので、パッケージソフトでレビューしてるものはお気に入りの作品ということでご理解ください。 そういうことで画質・音質中心のレビューをしますね。 画質・音質レビューも「綺麗か汚いか」、「音が良いか悪いか」のみで、「コントラスト」がどうの「白浮き」がどうの「ダイナミックレンジ」がどうのみたいなことは判りません。 その代わり、私は「スーパーリアルイラスト」という写真のような絵が描ける能力があり、そのため画像判別能力は普通ではないことを記しておきますので判断材料にしてください。 耳も普通よりは良いと思いますが、なんせもう50才になるので若い頃聞こえてた音が聞き取れなくなっています。 音質面の詳細なレビューは少なめです。 BD盤/9点 ※画質評価は2Kテレビでの評価で、4Kは4Kテレビのデモ映像と2Kテレビで見たyoutubeの8K映像を10点満点としますのでかなり厳しい点をつけています。 音質評価は音量や音響効果も加味しての点数です。 まずは4K-UHD盤にセットで付いているBlu-ray盤の感想から。 ブレードランナー ファイナル・カットの単品版もなかなか良い画質だったのですが、単品版からさらに画質が向上しています。 「ベールを1枚はがした」という表現が出来るほどの変化ではありませんが、かなり良くなっていますね。 意外だったのですが、正直、4K-UHD盤よりもオマケ的なものだったこのBD盤のほうが私的には評価できます。 字幕は少し明るさが上がって、単品版よりも読みやすくなっているように感じますね。 ※まだ作品を観たことがない方はここからは一部ネタバレ部分が含まれますので飛ばしてください。 オープニングの空を飛び回るポリススピナーの光の輪っかが美しいし、タイレル社の建物がこれまた美しくなっています。 ロイ・バッティの瞳もさらにノイズが無くなり鮮明に。 タイレル社でデッカードとレイチェルが出逢ったシーン、この盤で初めて、建物内から見える外の景色の中に、スピナーがたくさん飛んでいることに気が付きました。 ちゃんとこんなところまで細かく作品世界を作り込んでいたんですねぇ。 単品版でもよく見ると飛んでいるのが分かるけど、注意してないと気が付かないのでそれだけ画質が向上しているのが分かりますよね。 レイチェルの瞳の光、口紅のツヤめきも強くなっています。 タイレルが初めて登場する場面では、黄金色の柱や壁面に当たる光の揺らぎがこれまでになくリアルに迫って来ます。 レイチェルだけでなく、デッカードやタイレルの顔の質感もアップしていてすごく良い。 その後も全てのシーンにおいて画面が美しくなっていますね。 ノイズが減ってるので高品位。 素晴らしいです。 音声はドルビーアトモス仕様。 アトモス対応のAVアンプでなければ、ドルビーTrueHD7.1chに自動でなります。 このディスク、何が一番変わってるかと言ったらこの音。 音質、音の鮮度、音圧、全てが別物。 これは素晴らしい。 移動感、迫力、解像感が凄い。 音質も音響効果も、とても40年近く前の作品の音とは思えないですね。 画面から眼を外し、音だけを聴いてもそれだけでも凄い。 場面が目に浮かぶようです。 レプリカントのゾーラを追いかけて街の雑踏の中をデッカードが進むシーンなんか、もう音の洪水状態です。 音に囲まれる、包み込まれる感覚が楽しくて、嬉しくなってしまう。 もうね、ヴァンゲリスの音楽の体への染み込み方が段違い。 こんな素晴らしい音で大好きなブレードランナーの世界にどっぷり浸れるなんて、とっても幸せです。 ちなみに、たまたま間違えて吹替え版で再生してしまったら、音の鮮度の無さにビックリしてしまった。 やっぱり字幕を選択して本来の音で観るべきだと痛感。 吹替えで観る派の人はホント損してると思いますね。 音だけで買う価値があるよ、これ。 本編再生前のワーナーのロゴマークからして解像度が違います。 全体にBD盤の解像度を引き上げた印象ですが、ノイズというかフィルムグレインが逆に目立つように感じられる。 しかし綺麗なシーンはとことん綺麗。 4K-UHDが一番字幕が暗過ぎます。 もう少し明るいほうが読みやすい。 ※まだ作品を観たことがない方はここからは一部ネタバレ部分が含まれますので飛ばしてください。 オープニングのキャスト名の文字もさらにくっきりに。 LAの町並みの光が増えているように感じます。 しかしノイズも一緒に増えているような・・・。 ロイバッティの瞳は解像感が凄いですね。 タイレル社内でリオンがVKテストを受けるシーンは、解像感は上がっているがザラつきが増えている印象。 70mm撮影シーンの画質は素晴らしいです。 特殊効果シーンがさらに美しくなっている。 逆に、35mm撮影の警察署ブライアントの部屋ではザラつきが明らかに増えています。 デッカードが部屋に入り込んできたシーンでは人の肌も空間もザラザラ。 しかし、ブライアントからデッカードがレプリカントたちのデータを聞くシーン、鮮鋭感が上がり非常に良いです。 ノイズも前の場面より少ない。 ポリススピナー車内でも質感が上がっているため空気感すら感じられるようになりました。 問題はタイレル社でレイチェルに会うシーン。 黄金の部屋のツヤツヤ感が凄いんですが・・・。 反面レイチェルのアップシーンはBD盤よりザラつきが増えている。 ザラつきはそれでも、何故か以前この4K盤を見たときよりもマシになっているのが不思議。 以前4K盤を見たときは、警察署内でのデッカードの顔や、レイチェルの顔に異常なほどのザラつきがあり不良品かと思うくらいでした。 まるで「米菓子のパフを一面に敷き詰めて、そこに映像を映し出している」ように感じるくらい、つぶつぶザラザラだったんです。 かなり失望してたんですが、なぜかしばらく見ない間に少なくなっている。 何もしてないのに。 ??? う~ん、原因がわからん。 画質調整のせいだったか?それともプレーヤーとの相性?やっぱり不良品だったのか?綺麗だった70mm撮影シーンはそのままで、レイチェルのアップなどの35mm撮影シーンだけが画質異常がかなり直っています。 直っていると言っても、70mm撮影の室内などのツヤツヤぴかぴかの非常に美しい場面から、35mm撮影のレイチェルやデッカードのアップのザラザラした場面に度々入れ替わるので、その画質差でやっぱりガッカリしてしまいます。 「なんでレストアで同じくらいに出来なかったの?」と。 この4K盤は、この画質差がなければ最高なんですけどねぇ。 これ、直ってるけど原因が分からないので、またザラザラに戻る可能性もあるなぁ・・・。 この盤で感心したのは、「リオンが検査官を殺害した時の音声」をデッカードが聴きながら、トンネル内をポリスカー ( 空を飛ばない方 ) で走る場面。 このトンネル内のツヤツヤの光ってる質感や、ポリスカーのライトの「光のリアルさ」が桁違い。 ロイとデッカードの最後の対決も暗いシーンなのに非常にくっきり。 対決し終わって二人が対峙し、ロイがデッカードに語る感動的なシーン、二人の肌の質感が別物です。 このシーンでも空気感が感じられる。 BD盤よりも、ロイが語っている時の顔のアップでの表情がハッキリと見えるようになっています。 一部、BD盤のほうがなめらかで好印象なシーンもありますが、4K盤は総じてベールを一枚剥がしたように鮮度がいい。 ただ、そのベールを剥がしたような場面であっても、「これこそホンモノの4K画質」、とは言いがたいです。 また、ザラザラしたシーンが随所にあるので、全体的な評価を下げてしまいます。 結局、場面によっての画質差の少ないBD盤のほうが、ベストなのではないかと。 雷の音や雨の音がメチャクチャリアル。 音がとことん凄い。 BD盤でも感じたことだけど、このアトモス音声は桁違いです。 ( ちなみにBD盤との差は感じられませんでした。) 下手な最新作でもかなわないほど音質、音響が素晴らしい。 ヴァンゲリスのシンセサイザーや、効果音のキラキラいってる音が非常に心地良いです。 レイチェル : ショーン・ヤング ロイ・バッティ : ルトガー・ハウアー ガフ : エドワード・ジェームズ・オルモス リオン・コワルスキー : ブライオン・ジェームズ プリス・ストラットン : ダリル・ハンナ ゾーラ・サロメ : ジョアンナ・キャシディ エルドン・タイレル博士 : ジョー・ターケル J・F・セバスチャン : ウィリアム・サンダーソン ハリイ・ブライアント警部 : M・エメット・ウォルシュ ハンニバル・チュウ ( 眼球遺伝子工学者 ) : ジェームズ・ホン ハウイー・リー ( スシバーの店主 ) : ロバート・オカザキ 他 BD/ディスク1枚/2層収録50GB・H264/AVC方式 BD/16✕9 ( 2.4:1 )1920✕1080p ドルビーアトモス英語 ドルビーデジタル2.0chステレオ日本語 ( 新規追加収録 ) 英語字幕 金欠なのでビンテージものばかりですが・・・画も音もお気に入りです。 ※AVアンプがあるためモニター用途として使用 センター=デノン SC-E757✕1本 フロントトップ=KEF Q300 ( リニューアル版 )✕1組 ※私が未だに4Kテレビを導入しないというか導入できなくなっている理由はこちら↓ なぜ4K-UHDなのに2Kテレビでレビューしているのかが分かります。 4Kテレビの画質ってどう思います?その必要性に大きな疑問符が 画質も音質も全体にブラッシュアップされて高品質になっています。 しかし逆にリマスター時にノイズを拾い上げたのかザラザラしている場面が多くあるのも事実。 正直、4K-UHD盤よりもセットされているBD盤のクオリティが素晴らしい。 しかし、このBD盤は4K-UHD版でしか買うことが出来ません。 本当に高品質を求めるなら、この4K-UHD版を買うのがベストです。 ただ、ファイナル・カット版もクロニクル版もクオリティは悪くなく販売価格がかなり安いので、安く済ませるにはいいかも。
作品評価
10点
画質評価
4K-UHD盤/4点
音質評価
4K-UHD盤/BD盤共に10点
ブレードランナー ファイナルカットBD盤の画質面
ブレードランナー ファイナルカットBD盤の音質面
ブレードランナー ファイナルカット4K-UHD盤の画質面
ブレードランナー ファイナルカット4K-UHD盤の画質面
作品基本情報
監督
リドリー・スコット
原作
フィリップ・K・ディック
制作
マイケル・ディーリー/チャールズ・デ・ロージリカ( ファイナル・カット )
脚本
ハンプトン・ファンチャー/デヴィッド・ピープルズ
製作総指揮
ブライアン・ケリー/ハンプトン・ファンチャー/ジェリー・ペレンチオ/バッド・ヨーキン
音楽
ヴァンゲリス
特殊視覚効果
ダグラス・トランブル
デザイン
シド・ミード
劇場公開年
2007年公開 ( ファイナルカット版として )
キャスト
リック・デッカード : ハリソン・フォード
製品基本情報
発売年
2017年発売
本編時間
117分
ディスク情報
4K-UHD/ディスク1枚/2層収録66GB・H265/HEVC方式
映像収録情報
4K-UHD/16✕9 ( 2.4:1 )3840✕2160p
音声収録情報
4K-UHD/BD共に
字幕情報
日本語字幕
定価 / 実売価格帯
5990円+税 / 5000円前後※記事作成時点の価格ですので変動あり・購入前には必ずご自身でご確認ください。
発売元
株式会社ワーナー・ブラザーズ・ホームエンターテイメント
※私の視聴環境
TVモニター
東芝 CELL REGZA 46XE2
4Kブルーレイレコーダー
パナソニック DMR-4W200
AVアンプ
パイオニア SC-LX86
9chスピーカー ( イマーシブオーディオ非対応 )
メイン・サラウンド・サラウンドバック=デノン SC-700✕3組
ウーファー
ヤマハ YST-SW800✕1基
まとめ
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