4K-UltraHDソフトの高画質の代名詞のように言われていた「レヴェナント蘇りし者」。
作品が「暗い・寒い・痛い・辛い」と観てあんまり気持ちの良い映画ではないので私は今まで買っていませんでしたが、画質チェックの目安となる作品ですので、中古で安く購入しました。
さて、超高画質で有名な作品はどのくらいのクオリティなのでしょうか?
こちらは国内版で、4K-UltraHD盤と2KBlu-ray盤のセットとなっています。
そのどちらもレビューしたいと思います。
※以下4K-Ultra HD Blu-rayを4K-UHD、Blu-rayをBDと略します。
ちなみに私、大人気漫画「 キングダム 」でいうと「 麃公 ( ひょうこう ) 将軍」タイプの本能型なので、上手く作品の評論が出来ません。 「良いか悪いか」、「面白いか面白くないか」は直感的に感じられるけど、どこがどうだから面白いか、という細かいところは気にしないし表現出来ません。 ですから、作品に対する深い考察みたいなものはAmazonレビューとかでも上手に語っている方が沢山いらっしゃるのでそちらにお任せします。 基本観て内容が気に入ったものしか買いませんので、パッケージソフトでレビューしてるものはお気に入りの作品ということでご理解ください。 そういうことで画質・音質中心のレビューをしますね。 画質・音質レビューも「綺麗か汚いか」、「音が良いか悪いか」のみで、「コントラスト」がどうの「白浮き」がどうの「ダイナミックレンジ」がどうのみたいなことは判りません。 その代わり、私は「スーパーリアルイラスト」という写真のような絵が描ける能力があり、そのため画像判別能力は普通ではないことを記しておきますので判断材料にしてください。 ※ネタバレ感想の「ホテル・ムンバイ」と「ドクター・スリープ」のアイキャッチ画像イラストをご参照。塗り絵ですが私が描いたものです。 耳も普通よりは良いと思いますが、なんせもう50才になるので若い頃聞こえてた音が聞き取れなくなっています。 音質面の詳細なレビューは少なめです。 4K-UHD / 8点 4K-UHD / 10点 ※画質評価は「2Kテレビでの評価」で、4K-UHD盤は「4Kテレビのデモ映像」と「2Kテレビで見たyoutubeの8K映像」を10点満点としますのでかなり厳しい点をつけています。 音質評価は音量や音響効果も加味しての点数です。 2K盤、4K盤どちらも停止した所から続きが観れる「レジューム再生」対応。 これは凄い画質ですね。 BDとしては最高レベルの映像。 下手な4K-UHD盤よりもよっぽど高画質ですよ。 実は画質が気になって先にレヴェナントの4K-UHD盤からチェックしたのですが、精細感やリアリティこそ4K-UHDが勝っていても、映像の安定感やノイズの無さ、明るく自然な色彩などはBD盤のほうが良い印象。 インディアン襲撃を凌いだ後、夜になるシーンの、森の木々を見上げる角度に舞い上がる焚き火の「火の粉」の美しいこと! また、所々4K-UHD盤で感じた森の遠景での木々に見える細かいノイズはBD盤には見受けられません。 とにかく、どのシーンがどう、なんて説明する必要が無いくらいに、全編にわたって文句なしの超高画質です。 音声はDTS HDマスターオーディオ7.1ch仕様。 音量は上げなくても充分観れますが、3デシベル ( 3から6メモリ ) 上げてやると格段に良くなります。 収録音声は「DTS-Ⅹ」や「ドルビーアトモス」ではないので高さ方向の音源はありません。 しかし聴いてみると、もうね、とてもただの7.1ch音声とは思えないクオリティ。 リアリティがハンパではありません。 確かに他にもアトモス音声を超えているDTS7.1ch収録ソフトは有りますが、この音響は凄い。 ※まだ作品を観たことがない方はここからは完全にネタバレ部分が含まれますので飛ばしてください。 冒頭の「水が流れる森の中のシーン」では、俳優たちと一緒に自分もその場にいて、足元に水が流れているのを感じているような感覚になりますね。 「キツツキが木をつつく音」や「鳥の鳴き声」、「ヘラジカの鳴き声」などの自然音が「音質、音響」共に素晴らしいです。 その後のインディアンたちの襲撃シーン、音響の緻密なデザインは静かな自然音から一転して「恐怖をともなったパニックの現場」をイヤというほど表現します。 また、森の中を「雷鳴轟き、雨が降りしきる中」逃避行するシーンの、音の臨場感がハンパではない。 ここでも自らがその場にいるような錯覚を覚えるほど。 しかし、主人公の「グラス」が熊に襲われるシーンでは、なぜか低音成分が少なく、グリズリー ( 灰色熊 ) の重量感がいまいち伝わらなかったのが残念ですね。 CG映像の出来がものすごいのでグリズリー襲撃の恐怖が存分に伝わるのですが、音が物足りない。 川の、「半分凍りついた滝」の水の流れる重い轟音がこれまたリアル。 その後の、グラスがインディアンの「アリカラ族」から逃れて川の大きな滝を流されていくシーンでは、さらにミズーリ川の流れる水の轟音が増して、なおかつ音のリアリティがハンパではないです。 もうこっちも溺れそうなくらいに音に包まれます。 これはアトモス音声じゃなくても全く不満の無い素晴らしい音ですよ。 2017年のオーディオビジュアル雑誌には「パシフィック・リム」と合わせて高画質の双璧のように言われていた「レヴェナント」。 評価項目で100点が付いていた高評価の円盤ですね。 見てみると、確かにかなりの高画質。 全て自然光で撮影されたという画質は間違いなくネイティブ4Kです。 しかし、グラスの過去の家族との回想シーンでノイズが目立ちますね。 空にジラジラしたノイズと、「グラスの妻」の首のあたりにも同じようなノイズが見えます。 その後は水が多量に流れる森の中のシーン。 同梱のBDも凄かったですが、4K-UHD盤の凄さといったら。 ハンパないリアリティですね。 ※まだ作品を観たことがない方はここからは完全にネタバレ部分が含まれますので飛ばしてください。 特にレオナルド・ディカプリオ演じる主人公「グラス」にトム・ハーディ演じる「フィッツジェラルド」が「アリカラ族の追跡にお前が足でまといとなっているから犠牲になれ」と諭すシーンで、フィッツジェラルドの瞳に映り込む「複雑な光の様」はどんな作品でも見たことがないくらいの凄さ。 それを聞いて考えているグラスの顔のアップの質感もとんでもない。 トップレベルの画質なのは間違いない事実。 「ボヘミアン・ラプソディ」や「運び屋」のような精細感が凄いというタイプではなく、「イコライザー」のような超絶リアル映像タイプです。 この凄みのある映像が現実には4Kテレビでは出ないのがとても辛い。 所々映像が甘いシーンもあるし、森の木々にジラジラとノイズが見える所もあるにはあるのですが、どのシーンがどう、と言わなくても良いくらいに全編にわたり「空気感をともなった」超絶高画質映像です。 これ実は、最初見た時は色彩が抜けているようにおかしくネイティブ4Kには見えなかったのですが、ひょんな事からレンズクリーニングをしたら見違えて超高画質になりました。 4K-UHDプレーヤーはちょっとしたことで画質が激変するという良い経験となりました。 みなさんもレンズクリーニングは気を付けて下さいね。 音声はDTS HDマスターオーディオ7.1ch仕様。 こちらも音量ボリュームはそのままでもいけますが、3デシベル(6メモリ)上げたほうがグッと良くなります。 同梱の2K Blu-ray盤と同じくとても素晴らしい音質、音響。 冒頭の水が多量に流れる森の中のシーンは、そのリアルな音に全身を浸す事が出来ますし、続くアリカラ族の「毛皮採取隊襲撃シーン」は弓矢が飛んで来る音や銃の発砲音、悲鳴やインディアンの雄叫びなど、あらゆる方向からの音が楽しめます。 と、ここまではこれまでどおりのスピーカーの位置が「後ろ側に行くほど高さが高い構成」で鑑賞していましたが、天井のハイトスピーカーを2本から4本に増やしたのにともなって、水平方向のスピーカーの高さを全て揃えました。 ドルビーアトモスの設置セオリーでは、地上と天井それぞれ高さを全て同じにするのがコツだということですから。 もちろん、DENON音場補正プログラムの「Audyssey」もオートで計測、セットアップしました。 すると、高さ方向の情報が無いDTS HDマスターオーディオ7.1chなのに、今までの音響の繋がりとはまるでレベルの違うとんでもない音場が出現しました。 おかげでBD盤でも素晴らしい音質音響だったのに、4K-UHD盤視聴時でははるか上のクオリティが堪能出来ましたよ。 高さを揃える前の時でもAudysseyで補正をかけてましたが、ここまででは無かった。 スピーカーのツイーターの高さを揃えただけなのに、ここまで変わるとは。 こりゃ凄いですね。 みなさんも是非やってみて下さい。 「蘇った亡霊:ある復讐の物語」 ジョン・フィッツジェラルド ( 毛皮採取隊の罠師。グラスを亡き者にして報酬を独り占めにする ) : トム・ハーディ アンドリュー・ヘンリー ( 毛皮採取隊の隊長。人格者でグラスの味方をする ) : ドーナル・グリーソン ジム・ブリジャー ( 毛皮採取隊の若き隊員。瀕死のグラスを看取るため残るがフィッツジェラルドに騙されグラスを見捨てる ) : ウィル・ポールター ホーク ( グラスの息子。先住民とのハーフ。 ) : フォレスト・グッドラック グラスの妻 ( グラスの幻覚や回想シーンなどで登場 ) : グレイス・ドーヴ エルク・ドッグ ( アリカラ族の族長。フランス隊と契約し、白人に連れ去られた娘を探し毛皮採取隊を襲う ) : ドウェイン・ハワード ポワカ ( エルク・ドッグの娘。フランス隊に誘拐されていた) : メラウ・ナケコ ヒクク ( ポーニー族の男。家族をスー族に殺され同族を探すうち、グラスを助けるがフランス隊に殺される ) : アーサー・レッドクラウド ※Wikipedia参照 ・スティル・ギャラリー BD/ディスク1枚/2層収録50GB・H264/AVC方式 BD / 16✕9 ( 2.35 :1 )1920✕1080p DTSデジタル・サラウンド5.1ch日本語 BD / DTS HDマスター・オーディオ7.1ch 英語 DTSデジタル・サラウンド5.1ch日本語 日本語字幕 英語字幕 金欠なのでビンテージものばかりですが・・・画も音もお気に入りです。 注※2020年6月8日追記・仮に金があっても「今の全ての4Kテレビは買う価値ゼロ」なので手持ちのテレビが壊れない限り絶対に買いません。 ※AVアンプがあるためモニター用途として使用 →2020/4/25日にDENON AVC-X8500Hにグレードアップ 地上・センター=デノンSC-E757✕1本 地上・サラウンド・サラウンドバック=デノン SC-700✕2組 天井・フロントハイト=KEF Q300 ( version up )→イクリプス TD508Mk3✕1組にグレードアップ 天井・リアハイト=メインに使用していたデノン SC-700✕1組を追加 ※私が未だに4Kテレビを導入しないというか導入できなくなっている理由はこちら↓ なぜ4K-UHDなのに2Kテレビでレビューしているのかが分かります。 4Kテレビの画質ってどう思います?その必要性に大きな疑問符が 画質、音質、音響効果、どれも最高レベル。 そして、作品を見直してみて、あまりにも辛い物語に「もう一度観たくない、買いたくない」と思っていたのが間違いだったことが分かりました。 辛いだけじゃない、極限状態を体験出来る素晴らしい「サバイバル」の物語です。 ただ、やっぱりラストがどうしても虚しく救いようがない感じがするので、私の作品評価は低くなってしまいます。 最初はただ画質の目安としてのみ買ったディスクですが、想像していなかった音響の素晴らしさに気付くことが出来ましたので、これはこれでコレクションとして買って良かったですね。
作品評価
6点
画質評価
BD / 10点
音質評価
BD / 10点
レヴェナント蘇りし者のBD盤の画質面
レヴェナント蘇りし者のBD盤の音質面
レヴェナント蘇りし者の4K-UHD盤の画質面
レヴェナント蘇りし者の4K-UHD盤の音質面
作品基本情報
監督
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本
マーク・L・スミス / アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
原作
マイケル・パンク
制作
アーノン・ミルチャン、他
制作総指揮
ブレット・ラトナー、他
音楽
坂本龍一 / アルヴァ・ノト
劇場公開年
2015年公開
キャスト
ヒュー・グラス ( 主人公。 瀕死の重傷を負い死んだことにされるが不屈の精神で復活。) : レオナルド・ディカプリオ
製品基本情報
発売年
2016年発売
本編時間
BD / 4K-UHD共に 156分
映像特典※BD盤にのみ収録
・メイキング・オブ・「レヴェナント:蘇えりし者」
ディスク情報
4K-UHD/ディスク1枚/2層収録66GB・H265/HEVC方式
映像収録情報
4K-UHD / 16✕9 ( 2.35 :1 )3840✕2160p
音声収録情報
4K-UHD / DTS HDマスター・オーディオ7.1ch 英語
字幕情報
BD / 4K-UHD共に
定価 / 実売価格帯
6925円+税 / 5000円前後※記事作成時点の価格ですので変動あり・購入前には必ずご自身でご確認ください。
発売元
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン株式会社
※私の視聴環境
TVモニター
東芝 CELL REGZA 46XE2
4Kブルーレイレコーダー
パナソニック DMR-4W200
AVアンプ
パイオニア SC-LX86
9ch ( 7.1.2ch構成 ) スピーカー ( イマーシブオーディオ非対応→DENON AVC-X8500H購入で対応完了 )→2020年6月5日に11ch ( 7.1.4ch構成 ) スピーカー ( 地上7.1ch / 天井4ch ) のイマーシブオーディオに完全対応
地上・メイン=デノンSC-700→SC-900✕1組にグレードアップ
0.1ch ウーファー
ヤマハ YST-SW800✕1基
まとめ
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