4月18日の深夜に放送されたNHK BS4Kの「エヴァンゲリオン 序」。
この放送、本物の4Kではない疑惑が出てきました。
ちょっと注意が必要です。
どういうことか説明いたします。
4Kエヴァンゲリオンの情報量が少なすぎる!
NHK BS4Kで放送された先日の「歴史ヒストリア」のエヴァンゲリオンの回。
その映像を見て明らかに2Kアップコン映像ではないと思って、歓喜して「エヴァンゲリオン 序」の予約録画をしました。
「やった ! とりあえず4Kのエヴァが手に入った ! 」と喜んで、BD-Rよりも画質優位で記録出来るBD-REにダビングをしようとしたところ・・・。
ところが・・・ところが・・・!!!
普通なら「20,000」くらいになるはずの記録容量が「10,000」ちょっとしか無い。
「え???」
「なんで?????」
同日、この番組の前に4Kシアターで放送された「ニューヨーク1997」を録画したのですが、そちらの記録容量は1時間40分くらいで19,000オーバー。
なんとか容量が23,000ちょっとの「25GBのBD-R」にすんなり入ってホッとしたので、同じくらいの分数である「エヴァンゲリオン 序」も当然25GBディスクで入るよね、と思ってダビングしようとすると、容量表示が何故か11,000ちょっと。
「いや、これどういうこと?」となりますよね、当然。
もしかしてレコーダー側で勝手に録画モード変更でもあったのか?と思って確認してみると、間違いなく放送クオリティそのままで録画出来る「4K DRモード」で録画が成されていました。
また、次の日に予約録画していた8K番組のダウンコンバート番組は1時間で1時間40分の4Kエヴァと同じくらいの11,000の容量。
ですから、レコーダー側でなにか不具合があったのではなく、放送する側に問題があったという事。
録画中に画質を確認した時に、「4Kリマスター」という割には何故か持ってるBlu-ray盤の印象とあまり変わらない感じだったので、「いや、これ本当にネイティブ4K?」とは思ったのですが、やっぱりその違和感の感覚は正しかったという事ですね。
画面に力が無く、描画の線が頼り無い。
でも背景などの細かさは2Kアップコンとは違う。
色彩など優位な部分も感じられる。
なんだか納得のいかないモヤモヤする映像なんですよね。
それでも、NHKのアナウンスでは4Kリマスターされた素材だという事。
だから、「アニメだからまあこんなものなのかな?」と仕方なく受け入れていたのですが、この録画容量を見て、「なるほどね。」と納得した次第。
なぜ約半分の録画容量で、転送レートがこれだけ削られているのかは分かりませんが、「アニメだからそこまでのレートが無くてもいけるっしょ、」という判断で放送されたとしか思えませんね。
それともなにか権利が絡んでいるのか?
もし何らかのアクシデントではなく意図的なものなら、なめられたもんです。
なぜ折角の4Kリマスターをわざわざ低レートで放送したのか理解が出来ません。
ただでさえ、4Kシアターで放送される映画はパッケージソフトの4K-UHDディスクの映像美に全く及ばないのに、転送レートを落としたらネイティブどころじゃないでしょう。
「ダークナイト」にしても、「ジュラシック・パーク」にしても、放送された映像は4K-UHDソフトには遠く及ばないんです。
見比べればハッキリと違いが分かります。
いや、見比べなくても「4Kシアターってこんな程度か・・・」としか思わないんですよね。
だから、みんなが期待している「エヴァ」の4K版を低レートで放送する意味が全く分かりません。
4K-UHDソフトの「ルパン三世 ルパンVS複製人間」など、本当にアニメーターが描いたセル画がそのまま動いているような「凄み」があるんです。
フィルムグレインがほぼ完全に取り払われていながら、描線のタッチなどが潰れることなく鮮明によみがえっている。
どうやってレストアすればこんな芸当が出来るのか不思議に思ったくらいです。
UHDソフトを制作したVAPさんが凄すぎる ! ! !
転送レートのせいかどうかは分からないけど、今回放送された4Kエヴァにはそんな凄みは全く無い。
ルパン三世は数十年も前に制作されたエヴァよりはるかに昔の作品なのに、比較的新しい「4Kリマスターしたエヴァ」が画質で大敗しちゃダメでしょう・・・。
まとめ
もし何か手違いがあったのなら、再度4Kシアターと同じ転送レートで放送し直して欲しいですね。
この画質で4Kリマスターのネイティブ映像だとは受け入れられないですよ。
頼みますよ、NHKさん!
・・・でも、4Kシアターの今までの画質を見る限り、レートが倍になっても期待できないかもね。
※2020年4月26日追記
昨夜、劇場版2作目である「破」が放送されました。
今回も前回と同じく、直前に放送された「ブレードランナー ファイナル・カット」は録画容量が23,000オーバー。
「破」の録画容量は14,000ちょっとでした。
上映時間は8分しか違いません。
全てのNHK 4Kの番組の録画をしているわけではないので、どうとも言えない部分はあるのですが、少なくとも過去に録画してきた他の番組はまともなデータ量で放送されています。
なぜエヴァだけが・・・という気持ちが拭えません。
「Q」も同じ状態で放送されるでしょう。
残念ですね・・・。
4K-UHDの発売を期待するしかないようです。
※2020年5月4日追記
新劇場版「 Q 」も録画しました。
新しいからか、これが一番高画質でクッキリ・シャッキリ。
色鮮やかで輪郭の描線も一番しっかりしています。
しかし、やっぱりこれがネイティブ4Kかといったら、そこまでではない。
本物の4Kネイティブと言える洋画の4K-UHDのパッケージソフトと比べると、全然凄みが無いんですよね。
録画容量は12,000ちょっと。
この転送レートでは感動は与えられないでしょうね。
※2020年5月18日追記
4Kエヴァ新劇場版「序」の再放送が、5月23日土曜日0:05分より予定されています。
( 土曜日ですけど金曜日が終わった深夜なのでお間違いなく。)
まず間違いなく他も一週間ごとくらいに放送されるでしょう。
今度はちゃんとした転送レートで放送されるのでしょうか?
一応予約は入れてます。
みなさんも、もう一度予約録画してみてください。
ちゃんとしたデータ容量になってたらラッキーです。
※2020年5月25日追記
再放送を録画しましたが、やはりデータ容量は変更なしで4Kシアターの約半分でした。
「ベタ塗り単一色」が多いアニメ素材は、転送レートが少なくても充分だという放送局側の判断なのでしょう。
私には4Kらしさは感じられませんでしたが・・・。
いちおう、NHK BSPの2Kで放送された「破」と4K版の「破」との画質差を比べてみました。
感覚的にやっぱり2倍がせいぜい。
ただ、2K版でマリのヘルメットに見えていた「圧縮ノイズ」や、「グラデーションが階段状になっていた」症状は、4K版では全く見られませんでした。
それだけデータ容量が違うのでしょう。
また、色彩は鮮やかさが全く違います。
エヴァ仮設5号機のエントリープラグ内に浮かぶ「ピンク色の文字の明るさ」が全然違うし、「チューブの緑色」も違う。
描画の輪郭線もクッキリしています。
確かにキレイではありますが、やっぱり圧倒的な精細感や目の覚めるようなクッキリ感はどう見ても感じられません。
超高画質である「ミスター・インクレディブル」シリーズのBlu-rayと変わらない印象。
いや、精細感はあちらが上か・・・。
やっぱり放送では4K-UHD盤レベルの本物のネイティブ4K画質は出せないのだと思いました。
一応再放送は全て再録画しますが、期待出来ないですね。
※2020年6月2日追記
あれから「破」の再放送も録画しました。
録画容量は同じで約半分、画質も同じ。
6日に放送される「Q」に期待することはもう無いです。
これまで放送された4Kエヴァ、私がこれまで買ってきた海外・国内手描きアニメの4K-UHD、すなわち手描きアニメの4K素材は、全てが洋画の4K-UHDのような本物のネイティブ4K感 ( =精細感・解像感 ) の感じられるものではありませんでした。
( ※手描きでなくとも、面が単色で埋められているものはそこに実物のような細かな変化が無いので手描き作品と同じ )
全ての手描きアニメ4K-UHDの画質をチェックして言うわけではないので1つの意見として聞いていただきたいのですが、おそらく手描きアニメは4K素材として出すだけのものではないと思います。
あれだけセル画に近い感覚を覚えた「ルパン三世」の4K-UHDですら4K感は「どうかなぁ?」というところでしたから。
実写の作品でしか、ネイティブ4Kの感動が味わえることは無いでしょうね。
※2020.9.13追記 4Kエヴァのデータ量が増加!
昨日、NHKBS4Kにて「エヴァンゲリオン 序」の再放送がありました。
前回放送とデータ量は変わっていないだろうなぁと思いつつ、少しだけ期待して一応予約録画。
録画しながら何気にディスプレイに映し出してみると、これが前回までとは全く違うことに気付きました。
発色・描線の力強さ・映像の滑らかさや精細感など、画面から感じる映像の力強さが違うんですよね。
でも、それが正しいかどうかは録画が終わって録画容量を見てみないと分からない。
私は「4K-UHD映像ソフト」の映像・音声のレビューをしていますから、「この感覚が間違っていたらもう4Kレビューをする資格は無いなぁ・・・」と思ってました。
録画が終わって不要部分を編集削除し、容量を見てみると、前回11939MBだった録画容量が15252MBになっていました。3300MBほど増えてます。
やっぱりね~!
でも、前に同じNHK BS4Kで放送された同じ上映時間の4Kシアター、「ニューヨーク1997」はもっと容量が有ったよなぁ(実際の容量は20464MB)、と思い出して、「あれ?やっぱ間違ってたかなぁ?」と一瞬不安になってしまいました。
しかし、間違いなく前回放送よりも放送データ量が増えています。
一応自分に4Kレビューをするだけの力量はちゃんと有ったんだ、と胸を撫で下ろす事に。
しかし、本来なら20000MBくらいになっていないとNHK BS 4Kシアターの本来のクオリティではないですから、エヴァの放送には4K本来のデータ量は不要だというNHKさんの判断なのでしょうね。
つまり、アニメの放送にはフルスペックの4Kでなくとも足りるという事でしょう。
確かに今回放送された映像を見る限り、これなら4K-UHDパッケージ版とあまり変わらないんじゃないかというレベルにまでなっています。
私が以前から4K-UHDソフトの国内海外作品をレビューして感じていた、実写作品と違ってアニメ素材の4Kはその大元の情報量の少なさからあまり4K-UHD化する意味がない、という感覚は、4Kを一番大元で牽引しているNHKさんのアニメに対するこの対応から考えても、あながち間違ってないのではと思われますね。
でもどうせならフルスペックデータでの放送をして欲しかったと思うのは私だけでしょうか?なんといっても「エヴァ」ですよ?
まあでも高画質になっているのは間違いないので、前回放送分は何度も録画し直せる「BD-REディスク」に録画していたため、早速前回分と差し替えました。
「BD-RE」は「BD-R」と比べて少しだけ画質が良くなりますから、大切な作品を録画する場合にはおすすめですよ。
次回放送分も間違いなくデータ量増量版だと思うので、皆さん録画し忘れないように!
※2020.9.26追記 またしても問題点に気付きました
本日「エヴァ新劇場版:Q」が再放送されました。
放送データ量は先に放送された「序」「破」が増量版だったので、今回も大丈夫だろうと安心して録画しておりました。
録画が終わってデータ量を確認すると15816MBで問題なし。
映像も充分美しく、これなら別段文句はありません。
しかし!!!
放送中に冒頭の「シンジ救出作戦」の部分を画質確認のため観ていて、違和感を感じました。
「あれ?ここってこんなに色薄かったっけ???」
「シーンでまるっきり鮮やかさが違う!!!」
そうです、なんと色彩に制限がかかっていて色が抜かれていたのです。
これは前回放送を全てちゃんと観ていた方ならとっくに気がついていたはずなのですが、私は全てを鑑賞する時間が取れないので録画だけして安心していたため、気がついていませんでした。
前回放送の「Q」も他の放送も、明滅の激しいシーン、要するに「部屋を明るくして離れて観ましょう」という「安全策」のために、光の変動の激しいシーンは脳に悪影響が出ないように色彩の彩度をカットして放送されていたんですね。
う~む、NHKさんだから仕方が無いとしても残念すぎる・・・。
なまじ再放送で転送レートが増えてBlu-ray版との鮮やかさの違いが大きくなっただけに、なおさら残念です。
ほんと前回放送と違って綺麗になっていましたから・・・。
安全策のため仕方ないとはいえ、製作者の本来の意図や表現が丸つぶれです。
これは保存する価値が無いですね。
かといって現存する保有できるエヴァの4KはこのNHK放送版しか無いという辛さ。
発売される可能性があるのかどうか分かりませんが、パッケージ版の4K-Ultra HDの発売に期待をかけるしか無くなってしまいましたね・・・。
これに気づくまでは「NHKさん、なんて良いプレゼントをしてくれたんだ♪」と思っていましたが、一挙に喜びが消え去ってしまいました。
本当に残念。