歴史に残る傑作で、出るメディアソフト全てをアップデートしながら数え切れないほど観まくってきた「ターミネーター2 ジャッジメント・デイ」の4K Ultra HD Blu-rayを手に入れました。
28年ぶりの正統続編となる「ターミネーター・ニューフェイト」もまだ観れていないので楽しみです。
こちらは国内版で4K Ultra HD Blu-rayと4Kレストア版のBlu-rayがセットになった商品です。
はたして旧Blu-ray版と比べてどのくらいの向上がみられるのでしょうか?
画質・音質それぞれの面からレビューしたいと思います。
目次[表示]
ターミネーター2 ジャッジメント・デイの詳細レビュー
このソフト購入時点ではまだ4Kレコーダーを導入していなかったので、とりあえず4KリマスターBlu-rayを先に観てみました。
ちなみにテレビは、店頭の4KテレビでBlu-rayや4K-Ultra HD Blu-rayを観ると画像が汚な過ぎるので買う気になれず2Kフルハイビジョンのままです。
Blu-ray※にしても4K-Ultra HD Blu-ray※にしても、4Kテレビで観ると2Kテレビで観るより品質が落ちるのでお気をつけ下さい。
※以下それぞれ「BD」、「4K UHD」と略します。
さて、この4KリマスターBDディスク、超優秀です。
比較に使用した旧版はスチールケース仕様のプレミアム・エディション。
旧版も当時はなんの不満もなかったのですが・・・
4Kリマスターされたその映像は・・・こんなターミネーター2今まで見たことない !
旧版とは別次元の超高精細映像、高品位な音に驚愕しました。
最新作の画質と比較しても全然劣っていませんよ。
あまりにも綺麗になっているのでチェックするだけのつもりが最後まで魅入ってしまいました。
観ながら「こんな画質でT2が観れる日が来るとは・・・」と思いっきり幸せになれましたね。
超感激です。
しかし、後で観た4K盤は正直ガッカリです。
異次元の高画質を期待していましたが、BDと大差ありませんでした。
作品評価 | 10点 |
画質評価 | BD/10点
4K UHD/3点 |
音質評価 | BD/4K UHD共に 9点 |
※画質評価は2Kテレビでの評価で、4Kは4Kテレビのデモ映像と2Kテレビで見たyoutubeの8K映像を10点満点としますのでかなり厳しい点をつけています。
音質評価は音量や音響効果も加味しての点数です。
ターミネーター2 / 4KリマスターBD盤の画質面
正直アベンジャーズ・エンドゲームなどと比べると、やはり制作されたのが28年も前なので精細感・安定感では少し落ちます。
しかし、あの当時の作品の画質と考えると、「ひいき目」な部分を除いても満点を付けられる画質。
※本編は3種類、「劇場公開版」「特別編」「拡張特別編」が観れますが、4Kリマスター画質で収録されているのは劇場公開版だけなのでご注意を。
まず、初めに表示されるメニュー画面のサムネイル画像を見るだけで画質が違うことが想像できます。
再生すると、その想像が当たっていることが分かりますね。
しょっぱなの「カロルコ」のロゴマークからして精細感が全く違う。
そのあとはもう感激の嵐。
※まだ作品を観たことがない方はここからは一部ネタバレ部分が含まれますので飛ばしてください。
とにかくどこを切り取っても別格の高画質です。
旧版と見比べれば見比べるほどその凄さが分かります。
30年近く前の作品で、しかもフィルム撮影だったはず。
こんなにノイズ感のないクリアーな映像に磨き上げてくれて、制作スタッフには「ありがとう」を言いたい。
T2は4K-UHD以外にも4Kリマスター版のBDが単独で発売されていますが、この画質を見ればリリースされる理由が分かりますね。
ターミネーター2 / 4KリマスターBD盤の音質面
旧BD版はドルビーTureHD5.1ch音声でした。
4Kリマスター版はDTS-HD Master Audio5.1ch音声です。
旧版は全体的に出力レベルが低くてボリュームを6くらい上げないと聞きづらいくらいでした。
しかし4Kリマスター版は全体的に出力レベルが高く、鮮度も充分で大迫力です。
ブラッド・フィーデルの金属的な音楽スコアや効果音、ハーレーの爆音など鮮明そのもの。
T-1000に撃ち込まれる銃弾の着弾音が生々しく、サラがダイソン宅を襲うシーンのライフル連射の甲高い音も素晴らしい。
T-800が使うガトリングガンやグレネードランチャーの炸裂音も大迫力だし、サイバーダイン社の爆破音やサラの夢の中での核爆発のシーンも強烈。
音声情報ロスが無いはずの同じ「ロスレス音声」なのに旧版とでこうも違うか、と思いました。
素晴らしいです。
ターミネーター2 / 4K UHDの画質面
続いて4K UHD盤の感想なんですが・・・
残念ながら4KリマスターBD盤ほどの感動は得られません。
せっかく4K UHD盤が観られる環境になったんですけど期待はずれでした。
私のプレーヤーはパナソニックの4Kレコーダー、DMR-4W200なのですが、プレーヤーの画質設定をデフォルトのままでいじらずだと、正直4KリマスターBD盤とそんなに変わりません。
体感で4KリマスターBDの1.1倍くらいにしか感じないんです。
なめらかさはBDより上ですが、コントラストが高くシャキッとしているBDのほうがリアルで好印象に感じます。
これは観た当初、私のテレビが2Kのフルハイビジョンテレビだからなんだ、と思っていました。
しかし、量販店店頭で、おそらく今1番高画質であろうはずの「パナソニックの有機ELテレビTH-55GZ2000」に、どんな画質を見せてくれるのだろうと超絶ワクワクしながら手持ちのDMR-4W200を繋がせてもらって確認したのですが、私のCELLレグザで見た画質よりも数段落ちていました。
なんだ、これ・・・。
当然のことながら2Kテレビよりもはるかに高画質でなければいけない最新4Kテレビに映った映像は、驚愕の低品質だったんです。
「フルハイビジョンの4倍の情報量の超高精細映像」どころか、解像感も色の不自然さもCELLレグザよりも下。
10年近く前製造の、不具合でもはや廃棄寸前までいってるテレビですよ、私のCELLレグザは。
私は各社の4Kテレビの画質チェックに、T2内で非常に細く美しく映っていた「サラやジョンの髪の毛」と「シュワちゃんの胸毛」がどれだけ細かくハッキリと映っているかをいちばんの判断基準にしたのですが、あれだけCELLレグザで美しく細くクッキリと表示されていた髪の毛が、太く、ベタ塗りでもされたかのように鮮鋭感もなく「もっさり」と表示されているのを見て衝撃をうけました。
ちなみに、私のテレビのサイズが46型に対してGZ2000は55型と少し大きいのですが、同じ位の49型液晶4Kでチェックしても全く同じ印象だったので画面サイズの違いのせいではないです。
これはパナだけでなく他社も同じ。
ですから、先に述べた4Kテレビでは映像品質が落ちる、という私の判断はこれから来てるんです。
もちろん、T2のソフトだけじゃないんですけどね。
海外でのT2の4K UHD盤の画質評価が低いという話を聞いたことがありますが、海外のほうが日本よりも早くから4Kテレビが販売されていたので、4Kテレビの品質のせいかもしれませんよね。
それで気を取り直して自宅でもう一度チェック。
でもやっぱり1.1倍の印象は変わりません。
仕方なくプレーヤーの画質調整機能で解像度を目一杯上げて、HDR調整もとことん追い込んで調整したら、なんとか4KリマスターBDとの差が出てきて4Kっぽくなりました。
しかしそれでも体感で1.5倍くらいです。
4K UHDソフトはマスターが2Kアップコンバートであることが多いらしいのですが、T2は4Kリマスターされているから4Kマスターのはず。
でもこれくらいにしかならないというのは、4Kリマスターされても元がフィルムだから限界があったのか、それとも4K UHDの規格自体の限界か、という所でしょうね。
正直4K UHDソフトはどれを取ってもそれほどでもなくて、購入した枚数は少ないんですけど「これぞまさしく4Kの超高画質だ!」っていうものには出会っていないんですよ。
( 高画質で有名な「レブェナント/ 蘇りし者」が気になりますが作品自体そんなに好きになれないので・・・ )
T2に限らず手持ちの実写映画の4K UHDソフトは全て同じ印象です。
現状、4K UHDソフトは4Kの次世代超高精細映像を感じるものではなく、「好きで好きでたまらないマイ・フェイバリット映画」を、「手に入り得る最高の画質を手に入れるためだけ」にあると言っていいと思います。
ですから、驚愕の別次元画質を期待すると肩すかしを喰らいますよ。
ターミネーター2 / 4K UHDの音質面
4KリマスターBD盤はDTS-HD Master Audio5.1ch音声。
4K UHD 盤も全く同じDTS-HD Master Audio5.1ch音声です。
実際に聴き比べてみても違いは感じ取ることができませんでした。
しかし、BD盤で優秀音質だったので、こちらも同じく優秀です。
欲を言えば4K UHD 盤はせめて7.1ch音声か「ブレードランナー」のように「ドルビーアトモス音声」で別格の品質にしてほしかったというのが本音ですね。
作品基本情報
制作 / 監督 / 脚本 | ジェームズ・キャメロン |
脚本 | ウィリアム・ウィッシャー |
製作総指揮 | ゲイル・アン・ハード/マリオ・カサール |
音楽 | ブラッド・フィーデル |
CGI | ILM |
VFXスーパーバイザー | デニス・ミューレン |
特殊メイク | スタン・ウィンストン |
劇場公開年 | 1991年公開 |
キャスト | ターミネーターT-800 : アーノルド・シュワルツェネッガー
サラ・コナー : リンダ・ハミルトン ジョン・コナー : エドワード・ファーロング マイルズ・ダイソン : ジョー・モートン T-1000 : ロバート・パトリック 他 |
製品基本情報
発売年 | 2019年発売 |
本編時間 | BD/劇場公開版137分/特別編153分/拡張特別編155分/シームレス再生仕様
4K UHD/劇場公開版137分 |
映像特典/BDのみ | BD/ 新規特典「ターミネーター2:25年目の真実」(55分)
「メイキング・オブ・T2」 未公開シーン2種 2017年版劇場予告 他予告編集 |
音声特典/BDのみ | BD/監督キャメロンと脚本ウィッシャーのコメンタリー ( 字幕 )
キャストとスタッフのコメンタリー ( 字幕 ) 特別編のみ日本語コメンタリー |
ディスク情報 | BDディスク1枚/2層収録50GB・H264/AVC方式
4K UHDディスク1枚/2層収録66GB・H265/HEVC方式 |
映像収録情報 | BD/16✕9 ( 1.78:1 )1920✕1080p
4K UHD/16✕9 ( 1.78:1 )3840✕2160p |
音声収録情報 | BD/
DTS-HD Master Audio5.1chサラウンド英語 DTS-HD Master Audio5.1chサラウンド日本語 DVD版 DTS-HD Master Audio2.0ステレオ日本語 フジテレビ版 DTS-HD Master Audio2.0ステレオ日本語 VHS版 4K UHD/ DTS-HD Master Audio5.1chサラウンド英語 DTS-HD Master Audio5.1chサラウンド日本語 DVD版 ( 特別編/拡張特別編は6.1ch ) DTS-HD Master Audio2.0ステレオ日本語 フジテレビ版 DTS-HD Master Audio2.0ステレオ日本語 VHS版 |
字幕情報 | BD/
日本語字幕 英語字幕 コメンタリー用字幕①/② 4K UHD/ 日本語字幕 英語字幕 |
定価 / 実売価格帯 | 6800円+税 / 7000円前後※記事作成時点の価格ですので変動あり・購入前には必ずご自身でご確認ください。 |
発売元 | 株式会社KADOKAWA |
※私の視聴環境
金欠なのでビンテージものばかりですが・・・画も音もお気に入りです。
TVモニター
※AVアンプがあるためモニター用途として使用 |
東芝 CELL REGZA 46XE2 |
4Kブルーレイレコーダー | パナソニック DMR-4W200 |
AVアンプ | パイオニア SC-LX86 |
9chスピーカー ( イマーシブオーディオ非対応 ) | メイン・サラウンド・サラウンドバック=デノン SC-700✕3組
センター=デノン SC-E757✕1本 フロントトップ=KEF Q300 ( リニューアル版 )✕1組 |
ウーファー | ヤマハ YST-SW800✕1基 |
※私が未だに4Kテレビを導入しないというか導入できなくなっている理由はこちら↓
なぜ4K-UHDなのに2Kテレビでレビューしているのかが分かります。
4Kテレビの画質ってどう思います?その必要性に大きな疑問符が
まとめ
T2の4K UHD盤は正直期待はずれです。
4KリマスターのBDは感動モノですので、正直単品発売されているリマスターのBDを買えば充分かもしれませんが、やっぱりマニアは好きな作品をわずかでも良い品質で持っておきたいんですよね。
価格も1000円くらいしか変わりませんし、もしかして今後4Kテレビの画質が良くなれば見違えるようになるかも。
やっぱり買うなら4K UHDのほうがいいんじゃないですかね。