2019年11月7日の井上尚弥VSノニト・ドネアのWBSSバンダム級決勝をリアルタイムで観ました !!!
まずは最初に、あんなにも素晴らしい試合を私達に見せてくれた井上尚弥選手とノニト・ドネア選手に「ありがとう」と言わせてください。
ボクシングの試合で、こんなにも始まる遥か前からワクワクし、こんなにも試合中に画面にクギ付け&大興奮し、こんなにも短かいと感じた12フルラウンド、試合後のいつまでも冷めやらぬ余韻を経験したのは初めてです。
「ふたりとも本当に素晴らしかった。ありがとう !!!」
これだけネットや報道で結果は伝えられていますので、結果はもうご存じの方が多いはず。
ですから書かせていただきますが、我らが井上選手のフルラウンド3-0判定勝ちですね。
一応地上波とWOWOWの録画を両方見てから記事にしました。
井上尚弥VSノニト・ドネアの試合内容とその感想
1ラウンド目立ち上がりはお互い軽く様子見でいくかと予想していたのですが、しょっぱなから結構アグレッシブに始まったのは意外でした。
結構な打ち合い。
下手な相手だったら1ラウンド目ですぐに終わってそうな両者の攻撃がすごいです。
その後大きく動いたのは2ラウンド目の時。
打ち合いの中、残り50秒でドネア選手の強烈な左フックが井上選手の右顔面を捉えます。
ゴングが鳴りコーナーに帰ったときには右まぶたから明らかな出血が見られました。
その後もあれだけ打たれる姿を見たことがない井上選手が何度も打たれてダメージを負っていく・・・。
幾度も弾け飛ぶ井上選手の顔。
こんなクリーンヒットはほんと見たことがなかったですよね。
その後もドネア選手に反撃でダメージを与えながらも何度も赤く血に染まる顔面。
固くガードを上げる井上選手。
こんな姿は見たことがありません。
そりゃ当然ですよね、長年の付き合いのある所属ジムの大橋会長ですら試合後に
「パンチが効いたシーンもあった。尚弥と知り合って初めて見たシーンだった。」
※THE ANSWERより引用
と言ったくらいですから。
とにかくドネア選手が強かった。
正直WBSSでの試合だけ見たら、ここまでドネア選手が井上選手を追い詰めるとは思っていなかったし、ここまでの強さを見せるとは思っていませんでした。
勝ち上がり方や試合内容など、明らかに井上選手のほうが圧倒的でしたから。
しかしフタを開けてみれば前半圧されているのは井上選手のほう。
前2試合とは人が変わったかのように強い。強すぎる。
私のような中年世代にはドネア選手の輝きがとても素晴らしく見えて、井上尚弥を応援していた・応援しなければならない立場なのに思わずドネア選手のほうを応援してしまっていました。
中年のオジサンたち、身に覚えがあるんじゃないですか?
だからドネア選手を応援したからといって「非国民」なんて言わないでね。
その後も一進一退を繰り返し、5ラウンド目には井上選手の右ストレートでグラつくドネア選手。
9ラウンド目には反対にドネア選手の右ストレートがジャストヒット。
ボクシング人生で初めてクリンチにいく井上選手。
このパンチで初めて「効く」という体験をしたといいます。
これだけ初めての経験をあの「モンスター」井上選手にさせたドネア選手はやっぱりスゴい、と思いました。
しかし徐々に優位になっていく井上選手。
手数でもドネア選手を圧倒しはじめます。
10ラウンド目、残り30秒あたりからの激しい打ち合い、残り10秒で井上選手が右を放ち続けざまに2発、3発。
グラつくドネア選手がゴングに救われるような形に。
後にドネア選手は、9ラウンド目のクリンチ状態になった時に自分から仕留めに行くべきだった、私の失敗はあそこだった、と語っています。
そして運命の11ラウンド。
前ラウンドのダメージが残るドネア選手に激しく攻撃をしかけ、それをなんとか凌ぐドネア選手。
そしてついに残り1分55秒で井上選手の強烈なレバーブローが炸裂。
たまらず顔を歪め離れるドネア選手。
数歩動いたあと崩れ落ちてついにダウン。
これが決定打となり、決着が付きました。
その後も途中反撃しながら必死で耐えしのぐドネア選手と、攻め続けるんだけど逆転の左フックが怖くて仕留められない井上選手。
しかし最後の最後には、それまでパンチを打つのに声を出さなかったドネア選手が必死に声を上げながらパンチを繰り出して逆転しようとしました。
その姿がとても印象的でした。
12ラウンド全てをを戦いきり、ゴングが鳴るとともに笑顔で抱き合う両者。
力を出し尽くして死闘を戦いきった二人だからのお互いを称え合う姿は最高だった。
その後も自分のコーナーに座り込むドネア選手の元に井上選手がおもむき、お互い声を掛け合いながらまた深く抱き合う二人。
録画を見返してて、感動でつい涙が浮かんできました。
最高の選手二人が、技術も、気持ちも、お互いを尊敬し合うことも、全てをぶつけ合い共有しあった本当に最高の試合でした。
ドネア選手は大の親日家で、漫画「はじめの一歩」の大ファン。
その主人公、幕之内一歩が得意とする「強烈なレバーブロー」と同じパンチで、主人公と同じ日本人選手である井上選手に倒されてしまったというのもドラマティックですよね。
結果を受けて、井上選手が勝ってくれて非常に嬉しい、けれどもドネア選手が負けてしまったのは悲しい。
この最高の選手ふたりの決着が付いてほしいけどでも本当は決着が付いてほしくない、という複雑な気持ちになった試合でもありました。
まぁでも最初圧されていた井上選手は大逆転のボディブローで正真正銘の世界一を証明しましたし、ドネア選手も負けたとはいえ完敗ではなく最後まで熱い戦いを戦いきりしかも誰も手がつけられないくらいに強かった井上選手をあそこまで追い詰めたのですから、これ以上ない試合だったと満足しています。
レフェリーのテンカウント問題はたしかに「どうかな~」って感じもありましたが、私は最後の12ラウンドまで試合を見れて良かったと思います。
試合の解説を担当した元世界3階級制覇王者の長谷川穂積さんが、
「いつまでも見ていたい。そう思わせる超高等技術のせめぎ合いだった。」
※livedoor newsより引用
と言われたそうですが、まさしくそうで、ずっと見続けていたかった。
あそこでテンカウントで終わらなかったからこその感動があったのだと思います。
試合直後のふたりの互いを称え合う抱擁もまた熱いものがこみ上げてくるものでしたし、試合が終わってからドネア選手が子どもたちとの約束を守るために恥をしのんで優勝のアリ・トロフィーを井上選手から一晩借りて、その後ツィッター上で子どもたちと共にお礼を言った、というエピソードもホッコリしました。
途中入るCMに、「フジテレビさん、RAIZINの那須川天心の試合の時みたいに1番大事な場面がCMで終わっちゃってたみたいなことはしないでよ~!?」なんて思いながらだったのですが、そういう場面も無くてよかったです。
勝利者インタビューが削られたのはいただけなかったけど試合はすべて見れたのでまぁ良し、ですね。
WOWOWで録画した番組を観ての感想
まずは観ていちばん驚いたのが、その日、井上尚弥選手が番組に解説として出演していたことです。
事前に出演するとは知らなかったし、右眼窩(がんか)底と鼻を骨折していると知っていたので。
ここでもまた「あの状態で」出演して自身の戦いを解説してくれた井上選手に感謝です。
なにせ本人の解説付きでその場面場面でどんなことを考えていたのか知ることが出来るとは思っていなかったので、とにかく豪華な番組でしたね~。
WOWOWで観るまでリアルタイムでは観ずにとっておいた人は変な感覚だったんじゃないでしょうか ? 笑。
録画した試合を見返してみると井上選手もいいパンチが沢山入っていてほぼ互角な感じでしたが、リアルタイムで観ているときは今までの井上選手の強さと攻撃を受けない姿から異常にドネア選手が強く思えて圧倒的に井上選手が圧されているように感じてしまっていました。
冷静に観れていない状態だったんですよね。
リアルタイムで観た時にドネア選手のほうが優位でダメージが少なかったように感じていたのに、地上波の録画を後で見返したらかなりダメージを受けている印象でしたから。
また、地上波とはカメラが違うため受ける印象がかなり違いましたし、本人の解説付きだから井上選手側で見てしまうことになりました。
試合の見方も変わるのでやっぱりリアルタイムで観てから、のほうがいいですね。
解説者も違いますから、同じ試合なのに放送によってここまで印象が変わるのか、と思って面白かったです。
もちろんどちらの放送も永久保存版ですね。
また、画質に関しては地上波もなかなか頑張っている良い画質でしたが、やはりWOWOWの高画質は圧倒的でしたね。
ノイズの無さや黒の締まりがちがう。
そして地上波はどうしてもラウンド間の途中にCMという興冷めしてしまうものが入ってしまいますからね。
保存にはやっぱりWOWOWです。
これからも気になる試合は両方で録画して楽しみたいと思います !!